52週カレンダーマーケット最前線 2024年~2025年 年末年始編
“最大9連休”に拡がる消費の地図
2024年から2025年にかけての年末年始は、最大9連休という久々の大型休暇。
人の動きが活発化した一方で、物価高を背景に、消費者の財布の紐は依然として堅いままだった。
それでも、「コスパ」だけでは語れない、“ごちそう”や“特別感”への欲求は根強く、
小売各社の売場にはその期待に応えるための工夫が随所に見られた。
「誰に、何を、どう届けるか」──店舗で見えたヒント
■ 東京都のA店|“迎春一体感”で買上点数を最大化
年末商材に合わせ、冷凍カニやクエなどの高級水産品を平台で展開。
農産では首都圏最大級の14SKUのみかん、和惣菜は煮しめに切り替えるなど、全館が年末仕様に。
部門連携による“迎春一体演出”と、ポイント施策の組み合わせで、早期購入と客単価アップを両立させた。
■ 埼玉県のB店|“高単価×個食”の掛け合わせで深掘り訴求
ズワイガニ・松阪牛・尾熊牛といった高級商材を大胆に前面展開。
個食寿司や自社製おせち惣菜の「2パック買い」提案など、来客単位ではなく“食卓単位”で設計された売場が特徴的だった。
さらに裏側では、高単価なカニカマを展開するなど、節約志向への細やかな対応も見せた。
■ 東京都のC店|“桃色の非日常”で特別感を演出
「福パンダ」をキービジュアルに、売場全体をピンク色で彩った装飾が印象的。
握り寿司やおせち、お楽しみ福袋、さらには刺身やピザまで“大容量×パーティ商材”を主導線に展開。
カード決済によるポイント10倍で、家族単位の「まとめ買い」ニーズを確実に獲得した。
■ 埼玉県のD店|“ついで買い”設計でまとめ買いを狙う
ゴディバのハッピーバッグ、プリマハムの詰め合わせ、さらには昆布つゆ・しょうゆセットなど、
“年末年始の定番+手土産需要”を見据えた商材配置が見られた。
アプリでのクーポン施策やポイント付与も併用されており、価格訴求と体験価値のバランスが光った。
市場から読み解く「変化の本質」
●伝統の中に“変化”あり
・オードブルおせちやスイーツおせち、個食対応の小容量商品が拡大
・「洋風化」「Z世代向け」の要素が強くなり、“おせちは和食”という常識に風穴
●“コスパ”から“ごちそう感”へ
・一部高級商品への需要は健在(松阪牛、カニ、クエなど)
・消費者の“頑張った自分へのご褒美”という文脈が背景に
●「誰と食べるか」ではなく「どう楽しむか」へ
・ファミリー、カップル、ひとり向けまで使い分け可能な商品設計
・ポイント、サイズ展開、予約品以外の“当日おせち”対応がキーに
数字や棚割表だけでは見えてこない、「買う空気」や「選ぶ動機」。
私たちの現地調査では、以下のような要素を読み解きます:
・キービジュアルと商品配置の整合性
・客の滞留ポイント/スルーされる導線
・手に取られていたSKUとその後の購買行動
・惣菜・鮮魚・デイリーの連携設計
現場の温度・感情・行動を、数字と共に見える化します。
「うちの年末年始、来年どうする?」
BRINGでは、データと現場を掛け合わせた提案で、課題の整理・調査・提案・実行まで伴走します。
▼ヒアリングからご提案までの流れ
1.課題ヒアリング(オンライン可)
「イベント感が出せなかった」「若年層への訴求が弱い」など、現場の声を丁寧にうかがいます。
2.競合・自社の売場を店頭調査
売場の違い・顧客の動き・POPと商品展開の整合性などを比較。
3.改善提案+来年向けの売場設計ご提案
ターゲットに刺さるメニュー構成・売場設計・体験設計まで、現実的で実行可能な打ち手をご提案します。
まずは「今年の結果を一緒に振り返ってみたい」でもかまいません。
お気軽にご相談ください