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52週カレンダーマーケット最前線 2025年-2026年 <br />年末年始編

52週カレンダーマーケット最前線 2025年-2026年
年末年始編

“節約の年末、解放の年始”
正月を挟んで切り替わる消費スイッチ


年末年始は一括りにされがちだが、
実際の売場を細かく見ると、「年末」と「年始」では求められる役割が大きく異なる

2025年は、例年より早く年末休暇に入る人が多い一方で、
物価高を背景に節約志向は依然として強く、
おせちも「すべてを一式で購入する」より、
好きなものだけを選び、組み合わせるスタイルが主流になりつつある。

その結果、生活者は
「いつ買うか」「何を買うか」「どのように用意するか」を
これまで以上に慎重に見極めるようになった。

こうした背景のもと、GMSとSMでは、
年末と年始で役割を明確に切り替える売場設計が見られた。

今回も、GMSとSMを比較し、
販促戦略・顧客反応の違いから、“勝ち筋”を探ります。

 


店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント



  年末フェーズ(12/27〜12/31)

  “備える買い物”をどう取り切るか

★ GMS(総合スーパー)

ポイント施策と価格訴求で「早め・まとめ買い」を獲得


 GMSの年末は、「早く・お得に・まとめて」がキーワード。

  •  ■クリスマス商材と並行して、正月商材を早期から展開

  •  ■日持ちする商材の賞味期限を館内放送で紹介

  •  ■刺身・精肉・練り物・佃煮・正月飾りなど、
     カテゴリーごとにポイント倍率と期間を細かく設計

  •  ■国産肉など、「少し高いが、お得感のある商品」を主軸に構成

 節約意識が高まる中でも、
 「今買う理由」を価格と仕組みで明確に示すことで、
 早期・分散購入をしっかり取り込んでいた。

 

☆SM(スーパーマーケット)

“日持ち・少量・単品”で分散購入に対応


 SMの年末は、「必要なものを、必要な分だけ」を支える売場づくりが中心。

  •  ■生そばを複数種類展開し、合鴨スライスや山菜などを併売

  •  ■冷凍カニなど、保存前提の商品を強化

  •  ■冷ケース全面で、少量・単品おせちを豊富に展開
    (2人前程度の海鮮だけが入ったおせちも販売)

  •  ■刺身は、しゃぶしゃぶ用や冷凍のなど日持ち設計が目立つ

 「全部を一度に揃える」のではなく、
 “あとから足せる”“自分で組み合わせられる”売場が、
 カスタム志向の高まりと合致していた。


 

  年始フェーズ(1/1〜1/4)

  “ハレの日”をどう演出するか

 

★GMS(総合スーパー)

派手さと量感・高級感で「正月らしさ」を最大化


 GMSの年始は、「お正月の特別感」としての演出が前面に。

  •  ■元日から営業し、福袋や抽選企画で来店動機を創出

  •  ■お菓子から惣菜まで様々な福袋を1,000円均一で大量展開

  •  ■鮮魚は売場全面を使い、大容量の刺身盛りを展開
     (特に“生のまぐろ”を主役に据えた構成)

  •  ■精肉では、すき焼き・しゃぶしゃぶ・ステーキ用高級牛肉が中心

 「正月だからこそ少し贅沢をしたい」という
 ハレの日特有の消費心理を、演出と量・質で受け止めていた。

☆ SM(スーパーマーケット)

商品量より「人」で支える年始


 SMの年始は、限られた商品量を“接客と提案”で補う設計が特徴的だった。

  •  ■従業員をゆっくり休ませるため、営業開始は1/4から

  •  ■豪華な刺身や霜降り肉、揚げ物は厚めに展開

  •  ■一方で、その他商品は品薄になる場面も見られた

 そこで目立ったのが、
 案内係の増員や丁寧な声掛けによる売場づくり
 新年のあいさつや商品説明を通じて、
 売場全体の雰囲気を支えていた。

 加えて、
 「体にも家計にもやさしいおうち鍋」企画など、
 年始早々の“現実的な食卓”に寄り添う提案も並行して展開されていた。




年末年始商戦で見えた「3つの潮流」



①年末=賢く準備、年始=贅沢を楽しむ

 年末と年始で変わる消費者の心理を汲み取って
 フェーズごとに役割を切り替える設計が成果を分けた。



②「全部買う」から「組み合わせる」へ


 単品おせち・冷凍・日持ち商材の拡充が、
 分散購入・節約志向と強く結びついている。



③商品力か、接客力か


 GMSは商品ボリュームと演出力で、
 SMは人と提案力で、年始需要を成立させていた。




“数字では見えない”購買動機をどう掴むか?



年末年始の購買行動は、
「単価」「点数」「来店回数」といった数字だけでは捉えきれない。
生活者の頭の中では、
“節約したい”“お得に買いたい”“正月らしさは残したい”
といった感情が複雑に絡み合っている。

■ 年末に見えた動機


年末は、「できるだけ早く、でも無駄にはしたくない」という心理が強い。
高額になりがちなお正月準備だからこそ、
「今ならお得に買える」 が判断軸になる。

ポイント施策や日持ち設計、
「あとから足せる」単品構成は、
価格以上に “安心して準備できる” という価値を提供していた。

■ 年始に見えた動機


年始には、「せっかくの正月だから、今日は少し特別にしたい」という意識が、
はっきりと購買行動に表れていた。
年末に準備を終えたうえで迎える元日だからこそ、
価格や効率よりも、“正月らしさ”や“区切りとしての贅沢”が選択理由になっていた。

刺身や精肉などの主役商品は、
量や質そのものが「正月の食卓」を象徴する存在となり、
それを選ぶ行為が “新しい年を迎える実感” につながっていた。

また、案内係による声掛けや丁寧な接客は、
商品の説明以上に、
「今年もよろしくお願いします」という気持ちで来店客を迎える“おもてなし”として機能していた。
新年のあいさつを交わしながら買い物をする体験そのものが、
「ここで正月の買い物ができてよかった」という満足感を生み出していた点が印象的だった。




「次の年末年始、どう仕掛ける?」


年末年始は、
「何を売るか」以上に、「いつ・どんな役割を担うか」が問われる。

  • 年末は
     早期購入・分散購入・日持ち設計への対応

  • 年始は
     ハレの日演出と、現実的な食卓への橋渡し

GMSとSMは、同じことをする必要はない。
それぞれの強みを、時期ごとに最大化できるかが次の勝ち筋となる。

まずは、
「年末と年始で、消費者心理を捉え、役割を切り替えられていたか?」
を振り返ることから。

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