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52週カレンダーマーケット最前線 2026年 節分編

52週カレンダーマーケット最前線 2026年 節分編

節分判断の分かれ目は「1,000円」

価格が、行事にどう参加するかを決める年になった

2026年の節分は、3年ぶりの平日開催。
当日だけでなく、直前の週末に実施する人、
少量で簡単に済ませる人など、
実施スタイルの分散が、これまで以上に顕著になった。

この数年、節分は参加の仕方が多様化してきたが、
2026年は、その選択を迫る基準が
「1,000円」という具体的な金額として、はっきりと表面化した年だった。

恵方巻1本あたりの平均価格が上昇する中で、
生活者は「具材の種類をこだわりたい」が
「1,000円を超えると贅沢しすぎ」という思いがあり、
「この価格で、どのように参加するか」を判断していた。

結果として、

  • 1,000円未満なら「とりあえず購入」

  • 1,000円を超えるなら「理由が必要」

という、
価格を起点とした線引きが、
これまで以上に明確になっていた。

こうした背景のもと、各店舗それぞれの売場設計が見られた。

今回は、「1,000円の壁」に向き合った、4つの店舗の答えを紹介して、
販促戦略・顧客反応の違いから、“勝ち筋”を探ります。

 


店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント



  

① 関東GMS店舗

980円を主軸に“選ばせる”設計で、壁を越えさせた店

売場の中心に980円帯の商品を揃え、
海鮮・定番・変わり種と選択肢を用意。
価格の不安を先に解消した状態で選ばせる設計が機能していた。

一方で、
老舗寿司店コラボやサステナビリティに配慮した恵方巻など
高価格帯海鮮恵方巻は売場奥に配置し、予約限定・数量限定で展開。
「特別な人だけが選ぶ商品」として
1,000円超の商品に“理由”を持たせていた点が特徴的だった。




② 関東・海鮮特化型SM店舗

「高くても納得して来る客」に絞った戦い方

1,700円前後でもSKUを絞り、
ハーフサイズで量を調整。
1,000円の壁を越える前提客だけを迎える、割り切った設計が成功。

SNSや事前情報発信により、
「今年もここで恵方巻を買う」と決めた客が来店しており、
価格は“比較対象”ではなく、“納得済みの条件”になっていた。


③ 関西GMS店舗

「ハーフと食べ比べ」で、“高く感じさせない”工夫をした店

関西GMS店舗では、
原材料高騰の中でも、
ハーフサイズとよくばりセットを前面に出した売場構成が目立った。

  • ■ハーフにすることで心理的ハードルを下げる

  • ■食べ比べセットで
     「いろいろ食べたい」という満足感を担保

また、
米の使用量を抑え、具材の豪華さで満足度を補完するなど、
“価格ではなく体感価値”で1,000円を越えさせる工夫がなされていた。


④ 関西・SM店舗

「選択肢を増やす」ことで、壁そのものを曖昧にした店

関西のSM店舗では、
恵方巻を約30SKU展開し、
価格帯・サイズ・具材の幅を極端に広げていた。

  • ■手頃な定番

  • ■豪華なご褒美系

  • ■食べ切りサイズ

  • ■手作り・手巻き向け素材

この売場では、「いくらか」よりも
「どれを選ぶか」「どう楽しむか」を考える状態に置かれて
「1,000円を超えるかどうか」が判断軸になりにくい設計になっていた。


節分商戦で見えた「3つの潮流」



①「値上げ」ではなく「つくり方」で吸収

コストを抑えながら、満足感を落とさない工夫が進んだ

2026年の節分では、
原材料高騰を価格転嫁だけで吸収するのではなく、
“つくり方・見せ方”で調整する動きがより明確になった。

  • ■全体的にサイズを小さくする(細く or 短く)

  • ■米の使用量を抑え、具材比率を高める

  • ■容器や装飾を最低限に抑える

さらに、
コンテナのまま陳列したり、
セルフでパック詰めしてもらう形式を取り入れる店舗も見られ、
「節分だから華やかな売り方をする」という発想から、
無理のないオペレーションへ移行する兆しが感じられた。



②「価格帯ごとに役割を分ける


 

「並べ方」で成立させるロス対策が定着

節分商戦では、
価格帯ごとに明確な役割を持たせた商品設計が定着しつつある。

  • ■3,000円超:予約限定で確実に売り切る

  • ■1,000〜2,000円台:展開数を絞り、早い時間帯で売り切る

  • ■1,000円未満:主力ゾーンとして厚く展開

すべてを当日売り切るのではなく、
価格帯によって“売り切り方”を変えることで、
ロスを抑えながら売上を最大化する設計が見られた。



③恵方巻以外の商材で差別化

“節分らしさ”を広げる売場づくりが進み、
店舗それぞれの個性が表れていた。

売場には、

「恵方トルティーヤ」や「B.L.Tロール」など
「巻く」という節分要素を活かした
〈巻き系メニュー〉

「魔滅(まめ)カレー」や「鬼に金棒カツ」など
ネーミングや見た目で節分を感じられる
〈鬼モチーフメニュー〉

が並んでいた。

恵方巻を中心にしながらも、
選択肢を広げることで参加の仕方を多様化させ、
節分売場全体の魅力を高める工夫が見られた。




“数字では見えない”購買動機をどう掴むか?


節分の購買は、
「何本売れたか」だけでは語れない。

生活者が求めていたのは、
「節分をやった気になれる着地点」だった。

  • ■今年も行事に参加できた

  • ■無理のない形で季節を感じられた

  • ■価格にも気持ちにも納得できた

売場が
“節分を成立させる理由”を用意できていたかどうかが、
数字には表れにくい満足度を左右していた。




「次の節分、どう仕掛ける?」


2026年の節分から見えたのは、
価格を下げるか、上げるかではなく、
「どう参加させるか」を設計する重要性
だ。

  • ■つくり方でコストを吸収する

  • ■価格帯ごとに売り切り方を変える

  • ■恵方巻以外の節分を用意する

この3点をどこまで具体的に落とし込めるかが、
次の節分商戦のカギとなる。

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