52週カレンダーマーケット最前線 2025年ひなまつり編
平日開催でも華やかに!
2025年のひな祭りは、3月3日月曜日。
コロナ禍を越え、ようやく日常に戻った中で迎える平日開催の節句に、小売各社はどのように対応したのか。
BRINGでは首都圏を中心としたスーパーマーケットの店頭調査を実施。
前年の「大人も楽しむ桃の節句」路線を引き継ぎつつ、
“週末に祝う”新しいひなまつりスタイルが浸透している様子が浮かび上がりました。
平日でも「食」は変わらない:5割以上が“らしさ”を楽しむ
全国の生活者に向けた調査では、約5割が「ひなまつりらしいものを食べた」と回答。
特に「ちらし寿司」は68.2%と圧倒的で、桜餅やひなあられといった和菓子も根強い人気を誇ります。
また、60代以上の実施率が前年より増加傾向に。
「孫と祝う」「春の節目を大切にする」といった価値観が、年齢層を問わずひなまつりを生活行事として支えています。
売場は“週末主役型”へシフト:訴求ポイントは「簡便×ごちそう×演出」
2025年の店頭は、平日開催を逆手に取り、週末(3/1・3/2)に集中した売場演出と商品展開が顕著でした。
■ 埼玉県のA店|「全館でひなまつりパーティー」をテーマに
・惣菜・寿司・青果・デザートの主導線一体設計
・個食〜ファミリー対応のちらし・手まり寿司展開
・春野菜、柑橘類との組み合わせ提案で季節感演出
■ 千葉県のB店|「鯛祭り」と称した鮮魚の特設売場を中心に
・魚卵20%オフ、手まり寿司の大容量販売
・桜デザインのパッケージでついで買い誘導
・桃にごり酒など非食品も交えた売場連動
■ 東京都のC店|“お得感”を主軸に
・ちらし寿司398円、10貫550円の価格訴求
・春野菜・地場和菓子の打ち出しで「らしさ」を補強
・鮪の船盛・ローストチキンなど家族団欒の食卓演出も
「土日は手作り」「当日は簡便」:ニーズの分離と対応力が明暗を分けた
今回の調査で明らかになったのは、ひなまつりが“準備の週末・本番の月曜”へと構造変化していること。
単に商品を並べるのではなく、「使われるタイミングに合わせた設計」が鍵となりました。
時間軸 | 消費傾向 | 売場の対応策 |
---|---|---|
週末(3/1~3/2) | 手作り意欲・家族で準備 | 寿司材料・オードブル・春野菜などのセット訴求 |
当日(3/3) | 時短・簡便・即食 | 惣菜ちらし、個食弁当、スイーツセットの集中展開 |
大人も主役に:コスプレから高級スイーツまで広がる“ひなまつり経済圏”
2025年は非食品領域でも話題が多く、
・楽天市場では「映えすぎる!ひなまつりコスプレ」シリーズが話題に。
・キルフェボンや銀座コージーコーナーでは大人向けのタルトやプチケーキが好調。
・パパブブレでは「手まり寿司キャンディ」など、ギフト型スイーツの拡充も進みました。
→ もはやひなまつりは、子どもだけの行事ではなく、“自分のためのイベント”へとシフトしています。
来年に向けて:「食×演出」で、誰もが楽しめる“春イベント”へ再設計を
・「桃の節句+春の旬」のクロスMDが共感を呼ぶ
・手作り×簡便、伝統×新奇という“二律背反の共存”がカギ
・地場素材・装飾・演出で“思い出に残る売場”を目指す
「いつ買うか・誰と食べるか・どんな気持ちで祝うか」まで読み込んだ設計が、来年のひなまつりの成功の鍵になるでしょう。
数字や棚割表だけでは見えてこない、「買う空気」や「選ぶ動機」。
私たちの現地調査では、以下のような要素を読み解きます:
・キービジュアルと商品配置の整合性
・客の滞留ポイント/スルーされる導線
・手に取られていたSKUとその後の購買行動
・惣菜・鮮魚・デイリーの連携設計
現場の温度・感情・行動を、数字と共に見える化します。
「うちのひなまつり、来年どうする?」
BRINGでは、データと現場を掛け合わせた提案で、課題の整理・調査・提案・実行まで伴走します。
▼ヒアリングからご提案までの流れ
1.課題ヒアリング(オンライン可)
「イベント感が出せなかった」「若年層への訴求が弱い」など、現場の声を丁寧にうかがいます。
2.競合・自社の売場を店頭調査
売場の違い・顧客の動き・POPと商品展開の整合性などを比較。
3.改善提案+来年向けの売場設計ご提案
ターゲットに刺さるメニュー構成・売場設計・体験設計まで、現実的で実行可能な打ち手をご提案します。
まずは「今年の結果を一緒に振り返ってみたい」でもかまいません。
お気軽にご相談ください