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52週カレンダーマーケット最前線 2025年 ボジョレーヌーボー編

52週カレンダーマーケット最前線 2025年 ボジョレーヌーボー編

“ボジョレー単体”から“11月のごちそう商戦”へ
消費者の生活に寄り添うワイン提案力が問われた年


ボジョレーヌーボー解禁日とブラックフライデーが近接していることから、
近年、GMS(総合スーパー)ではブラックフライデーを早倒して開始
セールで集客して店頭でボジョレーヌーボーを訴求する動きが定着しつつある。

さらに、輸入ボジョレーの縮小(メルシャン・アサヒ・サッポロ撤退)により、
売場は “ボジョレー依存”から“新酒の多様化” へ移行している。
大手酒造メーカーは山梨新酒の強化を進め、都市部では新酒イベントも増加している。

一方、若年層を中心に、酒離れがすすみ
酒は“メイン”から“食の引き立て役”へと変化
スイーツや惣菜とのマリアージュが広がり、
ワインは“日常の少し特別な食卓を飾るもの”としてニーズを獲得しつつある。

こうした背景により、GMS(総合スーパー)とSM(スーパーマーケット)では
ワインの見せ方・売り方・役割 が大きく異なっていた。

今回は、GMSとSMを比較し、
販促戦略・顧客反応の違いから、“勝ち筋”を探ります。

 


店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント



■ GMS(総合スーパー)

“イベント性 × ボリューム × 11月複合商戦”で魅せる大型展開


GMSでは、ボジョレーだけでなく、
ブラックフライデー・週末ごちそう企画など 11月全体との連動 が鍵となった。

  • ■大陳で“イベント感”を演出
     平台・縦列・平置きでワインの世界観を可視化。
     “年に一度の解禁感”を強調。

  • ■ブラックフライデー商材との組み合わせ提案
     サーモン・黒毛和牛・ブラックトリュフ入りチーズなど
     ブラックフライデーの目玉商材を隣接配置することで、
     「ブラックフライデー商材とボジョレーを楽しむシーン」 を自然に形成。

  • ■商品バリエーションの広さ
     1,000円以下の選びやすい価格帯から、
     2,000~3,000円の中価格帯まで幅広く展開。

  • ■国産新酒の強化
     輸入ボジョレー縮小の影響を受け、“国産新酒”の存在感が急上昇。

GMSは “面”で勝つ売場
ワインを軸に、11月の食卓を丸ごとデザインする姿勢が印象的だった。

 

■ SM(スーパーマーケット)

“日常の食卓×新酒”をつなぐ、買いやすさ重視の売場設計


SMでは、イベント感よりも “今日の食卓に合うワイン” が主役。
大陳は控えめだが、買いやすい・合わせやすい売場づくりは非常に秀逸だった。

  • ■惣菜との強いクロスMD
     唐揚げ・ローストチキン・グラタンなど“今日食べたい惣菜”と並列配置し、
     “ワインと惣菜の気軽なマリアージュ” を提案。

  • ■国産新酒が主役級に
     「山梨ヌーボー」や「大阪ヌーボー」、「さつま白波新酒」など信頼性が高く、客層と相性が良い。

  • ■小容量・手ごろ価格が中心
     ハーフボトル、スクリューキャップ、1,000円以下のライトワインなど、
     “試しやすい・開けやすい・飲み切りやすい”商品に支持が集まった。

  • ■“ちょっと贅沢”の位置づけ
     クリスマス前でも、日常のご褒美ニーズに沿った提案が随所に。

SMは “生活者視点で選ばれるワイン売場” として完成度が高く、
買いやすさ・取り入れやすさでGMSとは異なる強さを発揮していた。


ボジョレーヌーボー商戦で見えた「3つの潮流」



① “買いやすさ”が主役に──
  小容量・手軽なワインが伸長

近年、ワインは“特別な日の1本”から、
“手軽に試せるデイリーワイン” へニーズが移行。

  • ■ハーフボトル

  • ■スクリューキャップ(ノンコルク)

  • ■1,000円以下のライトプライス

これらの “飲み切りやすい・開けやすい・選びやすい” 商品が
GMS・SM問わず売場の中心に。
“新酒の多様化”と相まって
“買いやすさの商品設計が市場を広げた” と言える。



② ワインは“イベント”から“食卓”へ


GMSはイベント性、
SMは日常性。

  • ■GMSは“平日でも週末でも楽しめるごちそう商戦”を演出

  • ■SMは“惣菜+ワイン”で日常の延長線上のシーン提案

ワインは 「飲むイベント」から「食卓の一部」 へと進化している。



③“ブラックフライデー × 新酒 × ごちそう”の複合商戦に


ボジョレー単体での勝負ではなく、
11月全体の食卓需要と絡めた複合提案 が主流に。

  • ■サーモン・牛肉・惣菜と組み合わせる

  • ■週末ごちそうメニューの一部として提案

  • ■日本ワインも同列で選ばれるラインナップへ

“ワインの売場づくり”は、
11月のテーブル全体設計の中で考える時代 に入った。


“数字では見えない”購買動機をどう掴むか?


 

★GMSが掴んだ動機

  • ■イベント感で気分が高まる

  • ■ブラックフライデーでまとめ買い

  • ■週末の特別メニュー需要

  • ■贈り物・差し入れ需要
    “テンションの上がる売場” が強い。

★SMが掴んだ動機

  • ■惣菜と一緒にすぐ楽しめる

  • ■小容量で試せる

  • ■手頃な価格で失敗しない
    “日常の延長で楽しめるワイン” が響く。

★共通点

どちらも “ワインを食卓でどう楽しませるか” が成否を分けた。




「来年のボジョレーヌーボー、どう仕掛ける?」


近年の流れから、
ボジョレー解禁は“単独イベント”ではなく、
11月複合商戦のハブ になっていく。

来年に向けては…

  • ■前半の山梨新酒 ×後半のボジョレーのW主役構造

  • ■惣菜・スイーツとのマリアージュ強化

  • ■小容量・ライトワインの拡充

  • ■ブラックフライデーとのテーブル連動企画

がより重要になるだろう。

特にSMでは、
“今日の夕飯をほんの少し特別にするワイン” の提案に伸びしろがあり、
GMSでは
“11月をごちそう月間としてデザインできるか” が分岐点となる。

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