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52週カレンダーマーケット最前線2026年 父の日編

52週カレンダーマーケット最前線2026年 父の日編

「家族で盛り上がる」父の日

“感謝”より“楽しむ”が表現された売場設計

近年は、

■モノより体験を重視する価値観
■家族で過ごす時間への関心の高まり

などを背景に、

「プレゼントを贈る日」から「家族で食事を楽しむ日」

へと変化しつつある。

さらに、2026年の父の日は、
サッカーワールドカップの日本戦と重なり、
例年以上に家飲み・観戦需要への期待が高まる商戦となった。




実際に家飲み需要の定番商材の売場を見ると、各店
ビールは強化され、トウモロコシが入口付近で目立っていた。
一方、例年強化される枝豆の展開は縮小されていた。

また、ウナギは高品質訴求・お買い得訴求・品揃え強化など、
店舗ごとに戦略が分かれる結果に。

さらに、これまで母の日の印象が強かったサクランボも、
今年は各店で大量陳列され、父の日商戦を彩る旬の商材となっていた。

今回は、各社戦略が分かれた「サクランボ」「ウナギ」「ビール」の展開を比較して、
各店舗の特徴を紹介しながら、父の日商戦の“勝ち筋”を探っていく。




店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント



1.関東GMS店舗

“ちょっと良いもの”をお得に買える父の日


この店舗では、派手な父の日演出は少ないものの、
質の高い商品をお買い得に提案する
“バイヤーおすすめ企画”が印象的だった。

【サクランボ 】
498円の佐藤錦を大量陳列。
798円の大粒のものや贈答用4,980円も販売。

【ウナギ】
宮崎県産蒲焼を大型のパネルで
“バイヤーおすすめ企画”としてコスパを訴求。
「父の日のごちそうに」というコピーで父の日の需要にさりげなく対応。

【ビール】
エンドは父の日向けの紙袋や化粧箱に入った商品の方が多いが、
売場全体をみるとW杯関連のノベルティ付き商品の方が幅広く展開。

また
138円のとうもろこしを“バイヤーおすすめ企画”として訴求していたり、
ホールやカット長いもを大量陳列していたりして、

旬の味覚やスタミナなど季節の需要を取り入れた食卓提案が目立った。

さらに
温めるだけで食べられるチルドのナンドックやロールピザなどを100円均一で販売。
エンドで大きく展開することで、手軽につまめる商品の需要を取り込んでいた。





2.関東SM A店

父の日とW杯を最も強く結び付けた店


この店舗は、
売場の各所にもビールやおつまみを陳列したり、
父の日の演出物も多く展開されており、
全体で「父の日」と「日本戦」を一緒に楽しむ提案が実施されていた。


【サクランボ】
498円の佐藤錦を大量陳列。
その他にも、高品質な698円、大容量の798円と
贈答用も2,500円、2,980円、5,980円、7,800円とサクランボだけで7SKUを展開。

【ウナギ】
鹿児島産の蒲焼1,780円と白焼き2,500円を展開。
品質訴求を重視し“父の日だからこそ良いものを食べたい”という需要に応えていた。

【ビール】
ギフトラッピング付きのプレミアムビールから
スポーツ観戦向けの海外ブランドビール、
パーティーシーンを意識したオリジナルバケツ付きの瓶ビールまで幅広く展開。

W杯開催期間中ではあったものの、
売場の中心にはJリーグ関連のノベルティ付きビールも集積して大きく訴求されていた。

農産では
エシャロットやミニトマトなどを詰め合わせた「おつまみ用野菜盛り合わせ」を販売。

畜産では
平台の半分を使って牛タン売場を強化し、10%OFFセールを実施。
薄切り・厚切り・1本焼きに加え、5種類の部位を楽しめる盛り合わせなども展開。

普段とは違う“特別感”で差別化を図っていた点が印象的だった。

また、水産売場では
本マグロ中トロを午後1時までのタイムセールで展開。
さらに16時からの勝浦直送生ガツオの数量限定販売を告知。
店頭スタッフがマイクで訴求することで、ライブ感と限定感を高めていた。

そして入口のすぐ横には、
枝豆・焼き鳥・パスタフリット・焼きチーズ・ビールを集積し、
ポスターとひまわりで演出した父の日コーナーを展開。

「父の日」と「スポーツ観戦」という
2つの需要を結び付け、家飲みシーンを具体的にイメージさせる売場となっていた。





3.関東SM B店

 “キャンペーン”で主力商材の購買を後押し

この店舗では、
父の日商材を大きく展開しながらも、単なる売場づくりではなく、
キャンペーンやポイント施策を組み合わせて
「買う理由」を明確につくり出していた点が特徴的だった。

【サクランボ】
佐藤錦は489円のパックを大量陳列しつつ、
贈答用1699円も販売。
トウモロコシと長いもと合わせて店頭の入口すぐの平台で展開。

【ウナギ】
中国産長蒲焼を1,000円で販売。
提灯やポスターを使った演出に加え、土用の丑の日の予告も行うことで、
父の日から次の需要へとつなげる売場づくりが見られた。

【ビール】
ギフトラッピング商品はほとんど見られず、
観戦需要向けの商品を中心に強化。

W杯関連商材は、ノベルティではなく、
店舗の商品券が当たるキャンペーンを実施することで、
購買意欲だけでなく来店促進を高める工夫が見られた。

また
食卓のメインになる焼肉盛り合わせ・刺身・うなぎの蒲焼は
商品券が当たるキャンペーンを実施。
さらに、焼肉盛り合わせはポイント10倍施策も合わせて実施。

そして
惣菜売場の中央では、豪快にかぶりつける半身揚げを大きく展開。枝豆やビールを併売しながら、
「お父さんありがとう!今夜は豪華に乾杯!」という特大ポスターで訴求。

父の日らしい“特別感”を演出しながらも、
スポーツ観戦中でも食べやすい“ワンハンド需要”に対応していた。





4.関東SM C店

“ながら観戦”を支えた手軽提案


この店舗では、
スポーツ観戦中でも食べやすい商品提案が目立った。

【サクランボ】
入って真っ先に目がいく平台でサクランボを大量陳列。
2日間限定で498円と限定感を訴求。

【ウナギ】
多段冷ケースの半分を使って、冷凍ウナギを展開。
国内産3カット3,000円のものから、
中国産大容量1カット333円まで
幅広く12SKUを品揃えて選びやすさを重視していた。

【ビール】
目立たない場所ではあるが、W杯関連のノベルティが付いたビールを販売。
メーカーのW杯関連のキャンペーンポスターも商品に埋もれてしまっていた。

惣菜売場では

■骨付きラムロースト
■フランクフルト
■合鴨串

など、
ワンハンドで食べられる肉惣菜を強化。

その他
枝豆やとうもろこしなども大量に集積されていたり、
一口フライドチキンやロールサンドなども販売されていたりして、

「テレビを見ながら楽しめる父の日」

を意識した売場づくりが印象的だった。

また、館内では平成初期のアニメソングが流れており、
どこか懐かしさを感じる演出が施されていた。

母の日の「ありがとう」「絆」「家族」といった温かい空気感とは異なり、
父の日では親子で共通の話題を楽しめるような、明るく賑やかな雰囲気づくりが行われていた。




父の日商戦で見えた「3つの潮流」



① 「感謝を贈る日」から「家族で楽しむ日」へ

近年の父の日は、プレゼントを渡すイベントから、
家族で楽しい時間を共有するイベントへと変化しつつある。

今年はさらに、
サッカーワールドカップの日本戦が重なったことで、
その傾向がより強く表れていた。

売場では、

■ナンドック
■ロールピザ
■パスタフリット
■焼きチーズ
■半身揚げ
■骨付きラムロースト
■合鴨串

など、

スポーツ観戦をしながら手軽に食べられる
ワンハンド商材を強化する店舗が目立った。

各社それぞれの工夫で、父の日需要と観戦需要の両方
取り込んで提案する売場づくりが進んでいた。





②今年は「トウモロコシ」に加え
「サクランボ」が入口の顔

今年の父の日商戦で特徴的だったのは、
多くの店舗で入口の一等地に

■トウモロコシ
■サクランボ

が並んでいたことだ。

トウモロコシは、
138円や139円など単一SKUで大量陳列する店舗が多く、
季節感やお買い得感を演出する商材として活用されていた。

一方、サクランボは、

■498円前後の普段使い商品
■大粒タイプ
■贈答用

など幅広い価格帯で展開。

価格高騰が懸念されていたサクランボだが、店頭では想定よりも手頃な価格で販売されるケースが多く見られた。
そのため、多くの店舗で入口の一等地を使った大量陳列が行われ、季節感を演出する主力商材として活用されていた。

さらに、「洗うだけで食べられる」「家族でシェアしやすい」という手軽さもあり、
スポーツ観戦をしながら気軽に楽しめる商材として、
今年の父の日とW杯需要との相性の良さが感じられた。



父の日の主役であるビールやウナギだけでなく、
旬の味覚で季節感楽しさを演出する売場づくりが広がっていた。



③ 父の日は「コスパ」で後押し

今年の父の日商戦では、
母の日とは異なる購買の後押しが目立った。

母の日では、

■「ありがとう」
■「感謝」
■「家族」

といった感情に訴える演出が多く見られたのに対し、

父の日では、

■コスパ訴求
■ノベルティ付き
■タイムセール
■抽選キャンペーン
■数量限定販売

など、
“お得感”“今買う理由”を前面に出した施策が目立っていた。


「お父さんのために買う」という感情だけでなく、

「せっかくならお得に楽しみたい」

という心理を後押ししていた。

父の日は、感謝を伝えるイベントでありながらも、

“気持ち”だけでなく“コスパ”も重視されるイベント

としての一面が強く表れていた。





“数字では見えない”購買動機をどう掴むか?


今回の父の日商戦で見えてきたのは、

「父の日の特別感」と「スポーツ観戦の楽しさ」

という2つの要素が購買起点になっているという点だった。

売場では、父の日らしいごちそうに加え、
スポーツ観戦と相性の良い商材も数多く展開されていた。

生活者が求めていたのは、
単なる「豪華な父の日の食事」ではなく、

家族で盛り上がる時間を、少し特別に楽しむこと

だからこそ各店舗は、

■観戦しながら食べやすい
■家族でシェアしやすい
■限定感がある
■ごちそう感がある

といった要素を組み合わせながら、需要を喚起し、
最後にコスパ訴求で背中を押していた。

父の日商戦で本当に問われているのは、
「特別」と「楽しさ」をどう結び付けるか。

そして、その気持ちを
「今買いたい」に変えるコスパをどう用意するか。

なのかもしれない。



 


「次の父の日、どう仕掛ける?」



2026年の父の日商戦から見えてきたのは、

「ごちそう」と「楽しさ」、そして「コスパ」をどう組み合わせるか

の重要性だ。

今年はW杯という強力な追い風があり、
父の日需要とスポーツ観戦需要を結び付けることで、
家飲みやごちそう需要を大きく喚起することができた。

一方、2027年の6月は
飲酒誘発指数の高い大型スポーツイベントがなく、
さらに父の日は、土用の丑の日の丁度1カ月前と短くなる。

そのため、

■うなぎ
■焼肉
■旬の青果

などを活用しながら、

「次の需要へつなげる売場」「初夏のごちそう提案」

という視点が、今年以上に重要になりそうだ。

父の日は、母の日や年末年始のような強い催事ではない。

だからこそ、

他の需要との組み合わせ

思わず手に取りたくなるコスパ提案

によって、いかに参加理由をつくれるかが問われる。

そこに、次の父の日商戦を伸ばすヒントがありそうだ。

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