52週カレンダーマーケット最前線 2024年お盆編
“集い・ごちそう・備え”が交差する、夏最大の商戦期
2024年のお盆は最大9連休。記録的な猛暑に加え、地震・台風といった災害リスクが重なり、消費者は「団らんのためのごちそう」と「もしもの備え」の両方を重視する傾向に。
さらに、帰省先での楽しみとして「寿司」「焼肉」が7割以上の支持を集め、スーパーに求められる役割は、“調達場所”ではなく、“家族時間をつくる舞台”に変わりつつある。
「“ごちそうと団らん”を再定義するお盆商戦」で見えた“複層型”マーケット。各社の差別化訴求が複雑に交差した。
売場で見えた“勝ち筋”のヒント
(前半)
■ 東京都のA店|“ごちそう+供物”を同時に展開
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農産・畜産・水産は焼肉・すき焼き・刺身といったハレの日対応を強化。
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一方で、和菓子・切り花・お酒のミニパックなど供物商材も主導線に展開。
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地震を受けて、防災関連商品もあわせて配置
■ 東京都のB店|“高単価×割引”の二面戦略
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和牛やステーキで客単価を押し上げつつ、食品では日替わり値引きやAランク商品を投入。
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お供え関連は和菓子と切り花をセット化し主通路で展開。
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台風影響による防災商材の品切れにも迅速対応
■ 神奈川県のC店|“ごちそう×涼味”の両立で猛暑に対応
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刺身・鮨・和牛といったごちそうメニューと並行し、涼味・瓶ビール・冷菓の訴求も強化。
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POPで夏休みの家族団らんを想起させる工夫あり。
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特設平台では“お盆らしい”パッケージ演出で季節感を演出
(後半)
■ 東京都のA店|“手軽・簡単・ついで買い”へとシフト
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お盆後半は、刺身・焼肉からまぐろ丼・惣菜・冷食へ重点を移行。
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主通路では加工品・即席・夏休みランチ対応商品を集中展開。
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「月間厳選100品」など定番・低価格ラインの強化が目立つ
■ 埼玉県のB店|“容量の切り替え”と“秋への助走”
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大容量パックから通常SKUへの切り替えを進める一方で、
芋・栗の菓子や秋メニュー商材を一部先出し。 -
家庭用・ついで買い・節約ニーズに対して20%OFFセールやポイント訴求で対応
■ 東京都のC店|“冷蔵庫満タン”提案で再来店を促進
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お盆後は「冷蔵庫満タンセール」を掲げ、日常商材+冷食+飲料水+防災品を一括提案。
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チルドピザやパックご飯など、猛暑でも手軽な商品が好調。
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地震・台風に備えた防災売場展開が売上を下支え
2024年お盆で見えた3つの消費インサイト
① 「団らん」と「備え」を両立したい消費者心理
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寿司・焼肉・BBQなどハレの日対応がメインでありつつも、
地震や猛暑を背景に、防災食品・即席・冷食の**“備え需要”**も顕在。
② “価格×満足感”が買い物の判断軸に
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高単価商品(和牛、シャインマスカット、鮨セット)でも、
**ポイントやボリューム訴求で「納得感」**を加えた売場が好調。
③ 「お盆明け」の動線設計が分かれ道
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盆後の売場では、“秋の入口”を感じさせる工夫や、
“冷蔵庫満タン”といった日常回帰モードをうまく捉えた店舗が来店動機を維持。
数字や棚割表だけでは見えてこない、「買う空気」や「選ぶ動機」。
私たちの現地調査では、以下のような要素を読み解きます:
・キービジュアルと商品配置の整合性
・客の滞留ポイント/スルーされる導線
・手に取られていたSKUとその後の購買行動
・惣菜・鮮魚・デイリーの連携設計
現場の温度・感情・行動を、数字と共に見える化します。
「うちのお盆、来年どうする?」
BRINGでは、データと現場を掛け合わせた提案で、課題の整理・調査・提案・実行まで伴走します。
▼ヒアリングからご提案までの流れ
1.課題ヒアリング(オンライン可)
「イベント感が出せなかった」「若年層への訴求が弱い」など、現場の声を丁寧にうかがいます。
2.競合・自社の売場を店頭調査
売場の違い・顧客の動き・POPと商品展開の整合性などを比較。
3.改善提案+来年向けの売場設計ご提案
ターゲットに刺さるメニュー構成・売場設計・体験設計まで、現実的で実行可能な打ち手をご提案します。
まずは「今年の結果を一緒に振り返ってみたい」でもかまいません。
お気軽にご相談ください