2026年酒税改正直前の売場を調査! 5社の展開を比較|売場リサーチ最前線
駆け込み需要を取り込む、各社の“買う理由”づくり
店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント
1.関東 GMS店舗
「まとめ買い」を軸に、“選ぶ楽しさ”まで広げる演出
売場では「今がまとめ買いのチャンス!!」という共通コピーを複数箇所で展開。
酒税改正前の購入メリットを繰り返し伝えながら、セット販売、ノベルティ、キャンペーンなどを組み合わせていた。
【特設企画】
宝酒造「焼酎ハイボール」は18種類・24本のコンプリートセットを展開。
単純なケース販売ではなく、豊富なラインアップを一度に見せることで、
普段選ばない味を知る・試すきっかけをつくっていた。
さらに、ご当地チューハイを集めた「チューハイ紀行」を展開。
各地の商品を一堂に集めることで、まとめ買いの中にも“選ぶ楽しさ”を加えていた。
【キャンペーン】
アプリ会員限定で、対象チューハイと食料品の購入を条件としたクーポン企画を実施。
「食欲の秋」とお酒を関連づけることで、酒類だけでなく食品との合わせ買いにもつなげていた。
【酒売場】
元売場ではエンドやケース販売コーナーなどに絞ってPOPを設置。
PB商品では「1本98円」「よりどり3本288円」と、複数購入のお得感を分かりやすく伝えていた。
ケース商品にはティッシュ、タンブラー、キャノーラ油などのノベルティも付加。
「値上げ前だから買う」に、選ぶ楽しさや購入特典を重ねることで、まとめ買いする理由を増やしていた。
2.関東 SM A店
酒税改正“一色”にせず、酒類全体の購買へ
SM A店では、酒税改正による駆け込み需要を取り込みながらも、
売場全体を増税訴求だけに偏らせていなかった。
【入口特設】
入口すぐの特設売場では、ビールやチューハイをケース単位で大きく展開。
入店直後から増税前のまとめ買いを訴求していた。
【酒売場】
一方で「秋味」など季節限定商品や新商品も専用コーナーで展開。
値上げ対象商品のケース販売を強化しながら、
値下げ対象となるビールも同じ売場に織り交ぜ、
ノベルティなどの購入特典も付加していた。
「値上がりする商品を買う」だけでなく、
酒税改正をきっかけに酒売場全体を見てもらう構成となっていた。
【食品売場】
加工肉売場ではビールやハイボール缶を併売。「おつまみ+お酒」という利用シーンを見せ、酒類への関心を食品の合わせ買いへ広げていた。
増税前の“今買う理由”だけに頼らず、季節商品や食品との組み合わせまで広げることで、酒税改正を酒類全体の購買機会として活用していた。
3.関東 SM B店
“今のお得”を、次の購買までつなげる
SM B店では、値上げ額を具体的に伝えながら、
価格・ポイント・次回需要を組み合わせていた。
【酒売場】
エンドでは24本ケースと6本セットをまとめて展開し、
チューハイ・新ジャンル・発泡酒それぞれの代表的な値上げ額を提示。
単に「値上げ」と伝えるのではなく、「いくら上がるのか」を数字で見せることで、
9月中に購入するメリットを実感しやすくしていた。
【次回需要】
酒税改正の告知に加え、ボジョレーヌーボーの予約も展開。
酒売場への注目が高まるタイミングを利用し、駆け込み需要だけで終わらせず、次の購買機会へつなげていた。
【店舗施策】
「家計応援祭」や大型ポイントキャンペーンも同時展開。酒類目的の来店から食品の買い回り、既存会員の購買、新規会員・アプリ利用まで接点を広げていた。
酒税改正を一時的な駆け込み需要として捉えるのではなく、
来店・買い回り・次回購買・会員獲得まで広げている点が特徴的だった。
4.関東 SM C店
「買いたいけど重い」を解消し、まとめ買いを後押し
価格のお得感だけでなく、まとめ買い時に生まれる負担まで
解消する売場づくりが特徴的だった。
【酒売場】
単品の冷ケースでも「9月中のお買い求めがお得」と訴求。
ケース買いをする人だけでなく、普段は単品購入する人にも買い置きを促していた。
セット商品では、お買い得価格に加えてボーナスポイントや
「よりどり」セールを組み合わせ、複数のメリットを重ねていた。
【購入特典】
一部商品にはノベルティを付加。調査時にはノベルティ付き商品の在庫が少なくなっており、購入を後押しする要素となっている可能性もうかがえた。
【サービス】
さらに「重たい物や大きな物でも玄関先まで配達」と宅配サービスを訴求。
ケース買いが増えるタイミングだからこそ、
「持って帰るのが大変」というまとめ買いのハードルにも目を向けていた。
価格・ポイント・よりどり・ノベルティに加え、宅配まで組み合わせることで、
「買うメリット」と「買いやすさ」の両面からまとめ買いを後押ししていた。
5.関東 格安SM
「何が変わる?」を具体的に記載
5店舗の中でも、特に酒税改正によってどのくらい値上がりするのかを伝えることに力を入れていた。
【店内告知】
酒売場付近の通路上部には、酒税改正を知らせる同一ポスターを連続掲出。
資材の種類を増やすのではなく、同じ情報を繰り返し見せることで高い視認性を確保していた。
【情報発信】
売場では「発泡酒」「チューハイ・ハイボール缶」など、
値上げするカテゴリーを大きく告知。
一方、商品・容量・セット売りごとの
具体的な価格改定内容は一覧にして集約していた。
まず「何が値上がりするか」を瞬時に伝え、
詳しく知りたい人には具体的な価格情報を提示する。
情報量によって販促物の役割を分けることで、複雑な酒税改正を理解しやすくしていた。
【購入特典】
アサヒ・キリンとの共同キャンペーンに加え、
主要メーカーのケース商品には食品や日用品などのノベルティを付加。
「増税される」という情報だけでなく、
「だから今買うとお得」というところまで売場で完結させている点が特徴的だった。
「次の制度改正、どう仕掛ける?」
制度改正は、それ自体が購買理由になる一方で、
生活者にとっては「よく分からないもの」にもなりやすい。
だからこそ売場では、
分かる――何が、いつ、どのくらい変わるのか
得する――今買うメリットを実感できる
選べる――セット、よりどり、商品比較など選択肢をつくる
買いやすい――宅配など購入時の負担を減らす
次につなげる――食品、アプリ、予約など別の購買へ広げる
といった複数の視点が必要になる。
「値上げ前だから買ってください」で終わらせず、
生活者が“今買う理由”を納得できる売場をどうつくるか。
今回の酒税改正直前の売場には、
今後の価格改定や制度変更時の販促にも活かせるヒントが見えていた。
BRINGは、
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