小さな改善から始まり、
働く人が輝くことで生まれる魅力的な店舗――
前回は、AI活用によって事務作業の負荷を減らし、
人が本来向き合うべき「考えること」に時間を使えるようにしていった実例を
ご紹介しました。
そして、その過程で改めて浮かび上がったのが、
どれだけ仕組みを整えても、最後に売場を動かすのは“人”だという事実です。
販促、販売計画、集客――。
これまで、さまざまな切り口から某スーパーマーケット様を支援させていただきました。
しかし、どの施策にも共通して立ちはだかる課題が「人手不足」でした。
今回は、現場の状況を丁寧にひも解きながら、
採用だけに頼らず、人材の活かし方そのものを見直していった実例をご紹介します。
「人手不足」を、どう捉えるか
実際に某スーパーマーケット様で支援を進める中で、
■売場のメンテナンスが行き届いていない。
■本部の提案も、「できる範囲」でしか展開できていない。
■本来であればもっと工夫できる販促や売場づくりが、
日々の業務に追われて後回しになっている。
そうした状態が、少しずつ積み重なっていました。
こうした状況を見ると、表面的には「人手不足」に見えます。
ただ、BRINGが現場を見て感じたのは、単純に人数が足りないというよりも、
本部で考えた販促や売場の意図を、
現場で再現するだけの余力と設計が足りていないということでした。
スーパーマーケットは、日々の暮らしを支える地域インフラです。
だからこそ、現場が疲弊し、本来やりたかった売場づくりや提案ができなくなることは、
企業にとってだけでなく、地域の生活者にとっても大きな損失につながります。
BRINGは、今回の「人手不足」を、
単なる採用課題ではなく、売場運営・販促実行・役割設計を含めた構造課題として捉えました。
まず見たのは、「本当に人が足りないのか」
多くの場合、「人が足りない」と感じると、まずは採用を考えます。
しかしBRINGは、すぐに採用に踏み切るのではなく、一度立ち止まりました。
本当に人が足りていないのか。
それとも、今いる人の力を十分に活かしきれていないのか。
そこで最初に行ったのが、現場の仕事の整理です。
各部門で、誰がどの時間帯に何をしているのか。
役割や作業内容を一つひとつ洗い出していくと、
それまで漠然としていた課題が少しずつ見えてきました。
例えば、
・魚をさばく人はいるのに、盛り付けや売場づくりに人手が回らない。
・品出し作業が遅れ、売れ筋商品が欠品している。
・販促物の設置や売場変更が、忙しさの中で後回しになっている。
・売場に人員が配置できず、接客や提案が弱くなっている。
こうした状況は、一見すると「人手不足」が原因のように見えます。
しかし実際には、人はいるものの、
作業の進め方や役割の分担、販促オペレーションの設計が整理されていないことで、
十分に力を発揮できていないケースも少なくありません。
こうしてBRINGは、採用だけでなく、
オペレーションの整理と人材活用を両軸で進める必要があると判断したのです。
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人を増やす前に、「働きやすさ」を整える
オペレーション改善でもBRINGは、「その企業らしさ」を尊重しています。
現場には、これまで積み重ねてきたやり方や経験があります。
だからこそ大切にしたのは、今までのやり方を一方的に変えることではなく、
働きやすく、売場を再現しやすい状態に整えていくことでした。
最初に行ったのは、作業の棚卸しです。
各部門で、誰がどの時間にどんな作業をしているのかを一つひとつ整理していきます。
すると、同じ作業でも人によってやり方が違っていたり、
販促物の置き場所や準備手順が決まっていなかったりと、
「なんとなく」で運用されている部分が少なくないことが見えてきました。
例えば、
・漠然としていた作業を言語化する。
・販促物の置き場所を決める。
・事前に準備できる作業と、当日しかできない作業を切り分ける。
・売場変更が一部の人に集中しないよう役割を整理する。
一見すると小さなことですが、こうした整理を進めることで、
現場では「次に何をすればいいのか」「どこに何があるのか」がわかりやすくなります。
迷いが減ることは、そのまま働きやすさにつながります。
こうして地道に少しずつオペレーションを整えることで、
今いる人が力を発揮しやすい環境づくりを進めていったのです。
そのうえで、はじめて「本当に足りない部分」や「どのくらい足りないのか」を
見極めることができ、採用の強化へと進んでいったのです。
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「必要な人材を迎えるための設計」を整える
こうした整理を進めるなかで、採用の必要性もより具体的に見えてきました。
どんな人が足りていないのか。
なぜ足りていないのか。
どの部門で、どんな役割が必要なのか。
これまで曖昧だった課題が可視化されたことで、
はじめて「どう採用すべきか」を考えられる状態になったのです。
そこでBRINGがまず行ったのは、
どんな人に来てほしいのかを明確にすることでした。
採用は、ただ広く人を集めるものではなく、
「来てほしい人に、きちんと届くかどうか」が重要です。
その視点から、ターゲットとなる層に対してお店の魅力や働きやすさを伝える手段として、
SNSの活用も進めました。
さらに、日々の業務に追われ、
応募があっても対応が遅れてしまうという課題も見えてきました。
求職者は複数の企業に同時に応募しているため、
対応が遅れると面接につながらないケースも少なくありません。
こうした状況を踏まえ、応募があった際の初動対応を早める仕組みづくりにも取り組みました。
このように採用業務そのものも棚卸しし、課題や改善の余地を一つひとつ言語化しながら、
現場に負担がかからない形で必要な人材を迎えられるような仕組みを整えていきました。
BRINGの採用支援が違うのは、
その先を見ているから
BRINGは「ストアコンディションアップ」という考え方を掲げ、
小売業のさまざまな課題を解決していくことを目指して日々取り組んでいます。
採用支援の目的は、単に人数を増やすことではありません。
働きやすい環境が整い、採用した人が長く働き、売場が活気づく。
その結果、店舗の生産性が上がり、売上や利益が伸び、地域全体が元気になっていく。
そうした好循環を生み出すことこそが、大切だと考えています。
そのためBRINGは、採用の一点だけに目を向けるのではなく、
働きやすさの整備や教育体制、オペレーションの整理など、
必要だと感じたことにはすべて踏み込み、面で支援します。

そして、BRINGの採用支援が他と違うのは、
小売の売場や販促オペレーション、本部の考え方を理解した上で、
人材を「売場づくりの一部」として捉えていることです。
単に人を紹介するのではなく、
その人が現場でどう活きるのか、
どの業務で力を発揮できるのか、
定着するには何を整えるべきか――
そこまで含めて設計することが、BRINGの役割だと考えています。
最終的には、支援がなくてもクライアントが自走できる状態を目指し、
単に業務の棚卸しをして施策を実行するのではなく、
その意図や優先度を採用担当者の方々にも丁寧に共有します。
そうした取り組みを通じて、採用を単なる「業務」ではなく
「お店の未来をつくる仕事」として見直していきます。
某スーパーマーケット様でも、こうした一つひとつの積み重ねの結果、
応募者数が増え、辞める人は減ったという変化として現れたのです。
店舗を変える起点は、やはり「人」
人手不足は、いま多くの小売業が直面している本質的な課題です。
しかし、たとえ働く人の数が多くなくても、
そこで働く人たちがいきいきとしていれば、お店には自然と活気が生まれます。
逆に、どれだけ人が多くいても、現場が疲弊していれば、
お客様にとって魅力ある売場や楽しい買い物体験は生まれません。
店舗を変える起点は、やはり「人」です。
だからこそBRINGは、「人が足りないから、増やす」という表面的な解決にとどまりません。
大切なのは、長く働きたいと思える環境をつくることです。
そうした環境が整えば、人は辞めにくくなり、
結果として自然と人も集まりやすくなります。
「この会社に入ってよかった」と感じてもらえる環境を、
枠にとらわれずに考え、
小売業の皆さまと一緒につくっていくことが、
私たちの役割だと考えています。

すべては店舗のコンディションを上げるため
ここまで、販促意図を店頭で表現できる仕組みづくりから始まり、販売計画の設計、
集客の打ち手、そして人材の活かし方まで――
某スーパーマーケット様とともに、多角的な取り組みを重ねてきました。
一見すると、それぞれは別々のテーマに見えるかもしれません。
しかし、BRINGが一貫して向き合ってきたのは、
「お店を良くするために、今どこに手を入れるべきか」
という一点でした。
部分最適ではなく、全体を見ながら支援の範囲を広げてきた。
日々の現場に向き合い、それぞれの視点を整理・翻訳し、
人と仕組みを噛み合わせながら、一つひとつ課題を解きほぐしてきました。
その先に、自然とたどり着いたのが、
第1回でご紹介した「郊外型次世代スーパー」での支援の形です。
クライアントと同じ目線で考え、
必要なところまで踏み込み、
変化し続けられる状態を一緒につくる。
このシリーズでご紹介してきた取り組みは、そのプロセスの一端にすぎません。
しかし、そこにはBRINGのストアコンディションアップ支援のあり方が、
確かに表れています。
ここまで5回にわたり、ストアコンディションアップの実例をご紹介してきました。
次回は、こうした考え方をより再現性のある形で支援するために開発したサービス、
「リテールブレイン」についてご紹介します。
BRINGは、小売店の未来型経営を支えるパートナー

BRINGは、小売店サポートのプロ。
ストアコンディションアップは、単なる店舗改革ではありません。
“人の想い”と“データの力”を掛け合わせ、
地域の日常をより安心で、より心地よい時間に変えていく——。
小売店の変革を、現場とともに形にしていきます。
少しでも気になった方はコチラからお気軽にご相談ください!

ストアコンディションアップ事業部
Y.S
流通小売業界で20年以上にわたり、商品部・販促部・店舗運営部をはじめとする営業の中核部門を経験。
加工食品、菓子、酒、米、日配食品などの主力カテゴリを中心に、PB開発、仕入戦略、販促施策、カテゴリーマネジメントを推進。
さらに、物流再構築や人材事業の立ち上げ、業務請負スキームの構築にも従事し、売上・利益の改善と組織最適化に寄与。
BRING入社後はその知見を活かし、ストアコンディションアップ事業を立ち上げ、責任者として従事。
地域の食品スーパー・メーカーに対し、売場改善、販促設計、業務改善、人材活用、AI活用など多面的な課題に対し、
実行フェーズまで伴走する支援を実施。
特にBRINGでは、全社横断での実行設計と現場運用を通じ、
「仕組みづくりで成長を回し、現場で再現させる設計力」を武器に、再現性と実行力を両立した支援を展開しています。

