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主役は、人——。<br />AIで思考を加速させ、想いを宿して完成する施策

主役は、人——。
AIで思考を加速させ、想いを宿して完成する施策

前回は、データを通して商品部・販促部・店舗それぞれの視点を整理し、
現場で実行できる判断に落とし込んだ実例をご紹介しました。

そうして日々、販売計画や販促施策をともに考えるなかで、
新たに浮き彫りになった課題があります。

それは――
企画をかたちにするまでに時間がかかりすぎていること。

そして、
担当者によってアウトプットの精度にばらつきが生まれていること。

そこでBRINGが活用したのが、「AI」でした。

 


本来やるべき仕事に時間を使うために



スーパーマーケットにおいて、施策を検討する際には、
前もってしなければならない事務的な作業が多くあります。

 必要な市場データを用意して
 自社データを整理し
 エクセルに落とし込み分析して
 資料にまとめる。

某スーパーマーケット様では、
その前段の作業に多くの時間が費やされていました。

本来、販促部や商品部の役割は、
その資料から「何をどう仕掛けるかを考えること」ですが、
その時間があまり割けないのが現状でした。


「作業負担を減らし、本来やるべき“考える時間”を増やすことはできないか。」


その思いから、AIを単なる効率化の道具としてではなく、
思考の余白を生み出す存在として活用することにしました。

 


AI活用の壁



最初は、汎用的な生成AIを活用しました。

市場データと自社データをもとに
「どこを得意として、どこが取り切れていないのか」
「なぜ差が生まれているのか」
「なにをアピールするべきか」
を分析させます。

しかし、出てくる答えは抽象的でした。

例えば、季節施策の方向性を尋ねると
一般論にとどまり、
食品スーパーの現場に適している内容にはなりませんでした。

また、アウトプットは文字中心で
売場を具体的にイメージできる形にはなっていません。

試行を重ねる中で見えてきたのは
AIは数字の整理はできても、
売場の文脈を読み取るには限界があるという事実でした。

いくら売場の特性や企業の文脈を学習させたとしても、
それだけで現場に100%フィットすることはありません。


最終的に必要だったのは
数字の裏にある空気や温度を読み取り、
現場に馴染む形へと整える“人の手”でした。

やはりAIだけでは、小売の現場までは踏み込めない。
それが率直な実感でした。

 


AIに何を任せ、何を任せなかったか



そこで考えたのが、

考える為の材料提示AIにお願いして、
その材料をどう解釈し、どの方向に舵を切るかを決めるのは

という設計です。

大量の情報を瞬時に処理し、材料を揃えることはAIの強みです。

 ■データの整理
 ■数値分析
 ■得意分野と、改善余地の抽出

といったAIが得意とする領域は、AIに任せます。

また、自分では気づかない視点を示し、仮説を整理してくれる存在でもあるので
補助的な役割として、人の思考の質を高めるためにも使うようにしました。


そして、最終的な判断は、人が行う。

なぜなら、売場は“生きている”からです。

例えば、AIは数字だけを見て、
「夕方は惣菜が売れないから展開数を減らした方がいい」
という提案をしてきます。

しかし実際には、

 ■欲しい商品がなかったのかもしれない
 ■展開方法に課題があったのかもしれない

ということが考えられます。
それは現場を見なければわかりません。


だからこそ、AIを過信しない。
AIは、答えを出す存在ではなく、思考を加速してくれる相談相手

それがBRINGのスタンスです。

 


変わったことは、スピードと思考の質



AI活用によって、事務的な作業の時間は約70%削減されました。

データ抽出や整理に費やしていた時間が減り、
これまで“作業”に使っていたエネルギーを
“考えること”に向けられるようになりました。

以前は
「どう集計するか」「どう整理するか」に時間がかかっていましたが、

AI導入後は
「この数字をどう活かすか」「次に何を仕掛けるか」という議論に時間を使えるようになります。

さらに
一つの案を練るのに精一杯だった状態から
複数の仮説を同時に検討できる状態へ。

また、自分では思いつかない視点が数十秒で提示されることで、
思考の幅が広がり、企画の選択肢そのものが増えました。


スピードが上がっただけでなく、
思考の質そのものが変わった

それが、最も大きな変化でした。





「よりよくしたい!」という思いを込める最終調整



AIが出したアウトプットで必ず確認していたことがあります。

 ■その企業らしさが出ているか
 ■これまでの販促の流れに沿っているか
 ■現場で実行可能か
 ■買い物をするお客様にとって魅力的か

例えば、肉を強みとする強い企業に対して、
市場では、魚の売り上げが好調であるからと魚中心の提案が出てくることもあります。

そこで、その企業の強みをどう活かせるか考え、修正する。

数字上は正しく見えても
「その企業らしさ」が損なわれてしまえば、
長期的なブランドづくりにはつながりません。

また、理論上は成立していても
売場のオペレーションや導線、
人員体制を考えたときに実行が難しい提案もあります。

そして何より、
計画はあくまでも計画であり、
実行するのは現場のお店の人です。

その人たちが「やってみたい」と思えるものでなければ、
どれだけ精緻な企画でも動きません。


長年売場に向き合ってきたBRINGだからこそ、
数字だけでは見えない現場の温度や想いを織り込みながら
血の通った形へと整える。

人の心が動き、初めて実行に移る。
その最終調整こそが、人にしかできない役割であり、
BRINGが大切にしている価値です。




未来へ ― 再現性を高めるために



AIは便利なツールですが、やみくもに使っても、望む結果はなかなか得られません。

どの情報をもとに考えさせるのか。
どんな前提を置くのか。

その準備や設計があってこそ、
AIは力を発揮します。

だからこそ、

 ■ブレない判断軸を設計すること
 ■小売業を理解した前提で活用すること

が重要です。

BRINGは、長年売場に向き合ってきた知見を土台に、
小売業にフィットしたAI活用を進化させています。

こうした考え方をより再現性のある形で支援するために新たなサービスを開発したので
追ってご紹介させていただきたいと思います。

しかし、こうしてどれだけ仕組みを整えても、最終的に売場を動かすのは現場の人です。

だからこそBRINGは、テクノロジーを磨くと同時に、
“人が活きる環境づくり”を大切にしています。

次回は、そんな視点から向き合った人材活用の実例をご紹介します。

 


BRINGは、小売店の未来型経営を支えるパートナー


店舗の課題を解決

BRINGは、小売店サポートのプロ。

ストアコンディションアップは、単なる店舗改革ではありません。

“人の想い”と“データの力”を掛け合わせ、
地域の日常をより安心で、より心地よい時間に変えていく——

小売店の変革を、現場とともに形にしていきます。

少しでも気になった方はコチラからお気軽にご相談ください!

 

ストアコンディションアップ事業部
Y.S
流通小売業界で20年以上にわたり、商品部・販促部・店舗運営部をはじめとする営業の中核部門を経験。
加工食品、菓子、酒、米、日配食品などの主力カテゴリを中心に、PB開発、仕入戦略、販促施策、カテゴリーマネジメントを推進。
さらに、物流再構築や人材事業の立ち上げ、業務請負スキームの構築にも従事し、売上・利益の改善と組織最適化に寄与。
BRING入社後はその知見を活かし、ストアコンディションアップ事業を立ち上げ、責任者として従事。
地域の食品スーパー・メーカーに対し、売場改善、販促設計、業務改善、人材活用、AI活用など多面的な課題に対し、
実行フェーズまで伴走する支援を実施。
特にBRINGでは、全社横断での実行設計と現場運用を通じ、
「仕組みづくりで成長を回し、現場で再現させる設計力」を武器に、再現性と実行力を両立した支援を展開しています。