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52週カレンダーマーケット最前線 2025年 ハロウィン編

52週カレンダーマーケット最前線 2025年 ハロウィン編

ハロウィンは“日常の中で非日常感を楽しむ”
軽めのイベントが主流に!
寒さの中で問われた、スーパーのハロウィン提案力

2025年のハロウィンは、10月31日(金)。
当日は平日で、実施の中心は前週末から当日を含む3日間。
しかし、天候は雨と冷え込みに見舞われ、外出やイベント参加には厳しいコンディションとなった。

近年では、仮装や大規模イベントよりも、
日常に“食やスイーツで少し特別を取り入れるスタイルが若年層を中心に定着。


その影響で、今年は“外出イベント型”の意欲がさらに低下し、
代わりに“おうちハロウィン”への期待が一段と高まったと見られる。

こうしたなか、スーパー各社では、“映え”より“手軽さ”を重視した売場づくりが求められ、
家庭で気軽に季節を楽しむ提案が鍵となった。



今回も、全国にチェーン展開する大手スーパーマーケットの大阪の店舗と東京の店舗を比較し、
商圏特性・販促戦略・顧客反応の違いから、“勝ち筋”を探ります。



 


店舗現場で見えた“勝ち筋”のヒント



■ 大阪|大手スーパーマーケット基幹店


家族で楽しむ“日常ハロウィン”

大阪の店舗では、日常メニューにイベント感を添える演出が中心に。
チラシでは「いつものごはんに“ちょっぴり”いたずら」というキャッチコピーで、
手軽に楽しむハロウィンを提案。

  農産:早生みかんが主役に浮上。
     柿に代わる“ハロウィンカラーのオレンジ”として店頭を彩り、季節の移行を象徴していた。

  惣菜:かぼちゃとチーズ・ベーコンを使ったメニューが展開され、
     “見た目も楽しい”家庭惣菜として人気。

  演出:店内はかぼちゃ装飾や紫・オレンジの布使いで温かみを演出し、 
     “お店全体がハロウィン”という雰囲気を醸成していた。


一方で、ハロウィン菓子は限定パッケージを早期に売り切り
フードロスを抑える計画的な販売が印象的だった。
派手な演出よりも、“ちょうどよく季節を楽しむ提案力”が際立つ展開となった。




■ 東京|大手スーパーマーケット基幹店


「鍋」と「ハロウィン惣菜」のすみわけが進む

東京では、お菓子よりも惣菜中心の“食ハロウィン”提案が主流に。
秋の味覚を生かしたパーティー惣菜やレシピが並び、
キャラクターのカレーやミイラスパゲティなど“親子で作れるメニュー”もSNSで発信されていた。

    畜産・水産:鍋用素材や大容量肉の展開が増加。
          寒さを意識し、「生鮮は鍋」「惣菜はハロウィン」という住み分けが明確に。

      非生鮮:ワイン・洋菓子・ポップコーンなどを中心に、
          家飲みや“おうちパーティー”向け提案が強化された。

       演出:黒猫や暗めのオレンジを基調にした“上品なハロウィン”。
          華美ではなく、シックに季節感を添える演出が印象的だった。

東京でも、ハロウィン限定菓子は早期完売。
一部売場ではクリスマス仕様へ移行が始まり、在庫最適化=ロス削減の動きが見られた。




ハロウィン商戦で見えた「3つの潮流」



① “おうちで楽しむ”軽めのハロウィンが定着

大がかりな仮装イベントから、“食を通じて季節を楽しむ”スタイルへ。
惣菜・スイーツ・果物を中心に、「日常の中にちょっとした特別感」がキーワードに。



② 定番「かぼちゃ」から“オレンジのリレー”へ

今年は、早生みかんが主役に台頭。
柿からみかんへと季節のリレーが進み、“自然なハロウィンカラー”として売場を彩った。
一方で、「黒×赤」「いちご」などの新トレンド商材は、
スーパーでは展開が難しく、現場ではほとんど見られなかった。



③ 「生鮮は鍋」「惣菜はハロウィン」で分業化

寒さが強まる中、生鮮部門は鍋・温メニューへ移行し、
惣菜・グロサリーは簡便・手軽なハロウィン提案に特化。
“家庭内イベント化”が進み、売場は季節の役割分担が鮮明になった。





“数字では見えない”購買動機をどう掴むか?


 
  大阪
:家族で気軽に楽しむ「日常+α」型の演出。
     POPやレシピカードで“ちょっと特別な夕飯”を提案。

  東京:惣菜と鍋商材を組み合わせ、“温度感”で季節を演出。
     SNS・ライブ配信などデジタル接点で生活者を巻き込んだ。

 共通点:どちらも、“派手さ”より“リアルな共感”を重視。
     忙しい日常に寄り添う“気軽なハロウィン”が支持を集めた。




「来年のハロウィン、どう仕掛ける?」


2025年のハロウィンは、“家で楽しむ”や“手軽に季節を感じる”方向へシフトした。
来年以降は、季節感と温度感のバランスをどう取るかがカギになる。

  • 気温が下がる時期には、鍋・グラタン・スープなどの“温ハロウィン”提案を。

  • 早生みかんやぶどうなど、自然な色味の“季節リレー”を活かした演出も有効。

  • それぞれの部門が得意領域で“秋の食卓”を分担し、
     「生鮮は鍋」「グロサリーと惣菜はハロウィン」という住み分けを明確化。

  • ハロウィン限定菓子完売後も、装飾でハロウィンを演出を。

トレンド商材や装飾よりも、“日常の中のちょっとした特別”をどう提案できるか。
これこそが、次のハロウィンに求められるスーパーの真価となる。

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