「未来型店舗運営」を支えるAI・データ活用
ストアコンディションアップコラム5回目。
前回は、BRINGのストアコンディションアップではデータ活用で買い物地域格差をなくし、顧客のニーズに合わせた店舗を目指すという内容でした。
今回は、将来的に長く店舗を続けるために必要な、ストアコンディションアップでの未来型店舗のためのデータ活用についてお話します。
BRINGが考える、未来型店舗運営とは?
なぜ今、未来型店舗運営が必要なのか
小売業はこれまで経験と勘に基づいた“感覚の経営”で成長してきました。
しかし、少子高齢化や都市部集中による人口動態の変化、
そして消費者の購買行動の多様化が進むなかで、
従来のやり方だけでは競争力を維持することが難しくなっています。
特に、
- 「まとめ買い志向の高まり」
- 「時短・即食ニーズ」
- 「健康志向・サステナブル消費」
- 「WEB広告やSNS販促による購買行動変化」
こうしたトレンドが複雑に絡み合う現在、
未来を見据えた“データドリブンな店舗運営”が求められているのです。
BRINGが考える未来型経営とは
未来型経営とは、「AIがすべてを代替する世界」ではありません。
AIの分析力と、人が持つ経験や現場感を掛け合わせることで、
精度の高い意思決定を実現し、現場の負担を増やさずに成果を出す仕組みを整える。
これこそが、BRINGが伴走しながら支援している未来型経営です。
たとえばAIによる需要予測は、
POSやID-POS、人流データを掛け合わせることで高精度になりますが、
最終的に「どのように売場に反映するか」は人の判断が欠かせません。
BRINGはその“橋渡し”を行い、AI頼みでも人任せでもない、実効性のある経営に導いています。

未来型店舗運営のデータとAIの活用
活用するデータの3本柱+最新トレンド
では、実際にどのようにデータを活用するのでしょうか。
BRINGが支援する未来型経営の基盤となるのは、「POSデータ」「ID-POSデータ」「人流データ」です。
- POSデータ:売上実績やSKUごとの回転率
- ID-POSデータ:顧客属性別の購買傾向、併買行動
- 人流データ:来店動線、時間帯別集客、商圏内の流動性
これに加え、近年では 「GISデータ」(世帯構成・所得水準・車保有率など)、
さらには 「WEB広告の効果測定データ」や「SNS反応データ 」も組み合わせることで
販促と売場戦略を一体的に設計することが可能になっています。
こうした“総合的なデータ分析”により、店舗は商圏ごとに異なる顧客像を的確に捉えられるようになります。

ある郊外型店舗では、人流データとID-POSを掛け合わせた結果、
- 午前:高齢単身世帯が多く、少量・個食商品の需要が強い
- 夕方:子育て世帯が増え、ファミリー向けまとめ買いが中心
という傾向が判明しました。
これをもとに売場を時間帯ごとに訴求変更したところ、
- 無駄な在庫を減らし、ロス率低下
- 大規模な棚替えをせずとも客単価と売上の双方が改善
- 人材の効率的な配置で、人件費効率化
- 人が考えていた発注やシフトづくり、販促方法、配達ルート決定もAI活用で時短・効率化
このように「小さなデータ活用の積み重ね」が現場の再現性ある成功体験となり、未来型経営の推進力になっています。
「AI任せではない」現場に負担をかけない仕組み化
しかし「データ活用=新しい仕事が増える」と現場から懸念されることもあります。
だからこそ、BRINGは “現場に負担をかけないデータ運用” を徹底しています。
- データは自動で可視化し、確認は数クリックで完結
- 売場や販促の提案はテンプレート化し、現場で即応用可能
- デジタルサイネージやSNS配信で訴求を効率化
これにより「戦略は高度に、運用はシンプルに」を実現し、現場に無理なくデータ活用を浸透させています。

AIの進化はめざましいですが、「AIがあればすべて解決する」という考え方は現場を混乱させます。
実際に必要なのは、
- AIが得意な“需要予測や数値分析”
- 人にしかできない“売場づくりや顧客対応”
この役割分担を明確にし、両者を掛け合わせることです。
BRINGの役割は、この仕組みを設計し
「AIの出した答えをどう店舗経営に活かすか」を現場目線で支援することにあります。
これにより、AI活用が“現場負担の増加”ではなく、“経営の効率化と成果の最大化”につながるのです。
未来型経営のこれから
消費行動の変化は今後さらに加速します。
ネット通販や宅配の台頭、地域人口の変化、価値観の多様化…。
しかし逆に言えば、データを起点にした未来型経営に取り組むことで、
店舗はより強く、地域に根差した存在になれるということです。
難しい、よくわからない、便利さが実感できない新しいことは、活用されなくなってしまいます。
今までのシステムを大幅に変えずに、誰でも簡単にAIとデータを活用できる便利な仕組み化。
これがBRINGが考えるストアコンディションアップの一手法です。
私たちはこれからも、POS・ID-POS・人流データを中心とした総合的なデータ活用と、
AIと人の力を掛け合わせた仕組み設計により、店舗の未来型経営を伴走しながら支援していきます。
BRINGのストアコンディションアップが気になった方はこちらからお問い合わせください。
皆さまの店舗でのニーズに合わせたご提案をいたします。

ストアコンディションアップ事業部
Y.S
流通小売業界で20年以上にわたり、商品部・販促部・店舗運営部をはじめとする営業の中核部門を経験。
加工食品、菓子、酒、米、日配食品などの主力カテゴリを中心に、PB開発、仕入戦略、販促施策、カテゴリーマネジメントを推進。
さらに、物流再構築や人材事業の立ち上げ、業務請負スキームの構築にも従事し、売上・利益の改善と組織最適化に寄与。
BRING入社後はその知見を活かし、ストアコンディションアップ事業を立ち上げ、責任者として従事。
地域の食品スーパー・メーカーに対し、売場改善、販促設計、業務改善、人材活用、AI活用など多面的な課題に対し、
実行フェーズまで伴走する支援を実施。
特にBRINGでは、全社横断での実行設計と現場運用を通じ、
「仕組みづくりで成長を回し、現場で再現させる設計力」を武器に、再現性と実行力を両立した支援を展開しています。


